「あきやま有機農村未来塾」さんのチラシ制作をサポートさせていただきました。都会と田舎を結ぶユニークな取り組みをされているので、この機会に紹介させていただきます。
あきやま有機農村未来塾とは
あきやま有機農村未来塾とは、栃木県佐野市の秋山地区を拠点に活動されている団体です。この地域は山々に囲まれ、秋山川という川の流れる美しい農村集落です。一方で過疎化・高齢化が進み、イノシシやシカ、サル、ハクビシンなどの獣害も激しい地域でもあります。
こうした課題に取り組みつつ美しい自然と住民生活を守るために、栃木県には「里の守サポート事業」という補助事業が存在しています。2015年に秋山地区の住民の皆さんでこの事業に参画されることになり、「あきやま有機農村未来塾」が設立されました。
あきやま有機農村未来塾の活動内容
あきやま有機農村未来塾では、地域の課題解決と住民の明るい未来を築くことを目的として、様々な活動に取り組まれています。気軽に参加できる面白そうなイベントもありますので、中から4つご紹介します。
手もみ茶部会
お茶好きな私が最も注目したいイベントはこちら、新緑の美しい農村で体験できる、手もみ茶作りです。秋山地区の畑には、境界線を設けるためにお茶の木があちこちに植わっています。これらを手で摘み取り、蒸して、専用の台の上で手もみをして、お茶を作ることができます。
お茶の時期に合わせて毎年5月中旬に開催されるイベントだそうです。お子さんがいらっしゃる方は食育にもなりますし、一緒に参加されてみてはいかがでしょうか。お茶を摘み取るところから関われるというのは、ペットボトル飲料のお茶しか飲んだことのない今時の子どもにとって貴重な体験になると思います。
手もみ茶部会の詳細はこちらのページに掲載されています。
地酒部会
日本酒はきれいな水がないと作れませんが、秋山地区では地酒の原料となるお米の田植えや収穫ができるイベントも開催しています。とちぎ酒14号という品種の酒米で作られた、無農薬・無化学肥料米100%の、ズバリ「あきやま」という名前の地酒です。自分たちで植えたお米からお酒ができると、一段と感慨深い味わいになることでしょう。
秋山地区の気候は寒暖差があり、お米の栽培に適しているそうです。こんな様子で田んぼの泥の中に入り、水の冷たさを感じながら苗を植えていきます。
ちなみにラベルの「あきやま」の文字は、栃木県佐野市出身の書道家・さおりさんが書いています。こういう地元の人同士の繋がりっていいですね。
地酒部会の詳細はこちらのページに掲載されています。
ヤマブドウワイン部会
秋山地区の特産品としてもうひとつ売り出し中なのが、ヤマブドウで作った無農薬ワインです。ヤマブドウは育てるのが意外と大変で、苗を植えてから収穫できるまでに約5年かかるそうです。でもそれだけ大事に育てる過程が長いと、収穫の喜びはひとしおでしょう。
ヤマブドウワイン部会では、ヤマブドウの苗を植えたりといったイベントを開催しています。自分たちで植えた苗が育っていき、花が咲き、実がなる様子を観察するのも楽しそうです。
ヤマブドウワイン部会の詳細はこちらのページに掲載されています。
おためし住宅
ここまでは体験イベントでしたが、最後は秋山地区におためしで居住できる制度、「おためし住宅」のご紹介です。
のんびりした田舎暮らしに漠然とした憧れをお持ちの方は多いと思いますが、いざ一生住むことを考えると、今の生活がありなかなか踏み切れないかと思います。おためし住宅ではそのような方のために、最短1ヵ月〜最長1年、リフォーム済みの空き家におためしで住むことができます。費用は水道光熱費は別で月額30,000円です。シャワー、水洗トイレ、冷蔵庫、ガスコンロ、洗濯機、ストーブなどは備え付けです。
古民家に興味があって、既に住まわれている方もいらっしゃるそうです。住んでみた印象を伺うと「大自然のど真ん中、最高!」と、楽しく生活をされている様子です。見学会などもされているようですので、ご興味のある方は問い合わせをしてみてください。
おためし住宅の詳細はこちらのページに掲載されています。
栃木県佐野市秋山地区へのアクセス
秋山地区は山奥になりますが、佐野を経由して「葛生(くずう)駅」までは電車で行けます。
東京駅からの場合、JR宇都宮線で久喜まで(およそ1時間)、久喜から東部伊勢崎線で館林まで(およそ40分)、そして館林から東武佐野線で葛生まで(およそ40分)です。
葛生からは市営バス「さーのって号」秋山線で秋山地区まで向かえます。本数は限られるため事前に調べておきましょう。
栃木県佐野市の秋山地区は素敵な地域!
以上、あきやま有機農村未来塾さんのご紹介でした。秋山地区は自然豊かで人があたたかく前向きで、素敵な地域ですね。日本の過疎化・高齢化は進み、人口の約8割が都市部に住む時代となりましたが、地域の温かさや、その土地ならではの魅力は、日本の財産としてこれからも大事にしていきたいと、今回のご縁を通じ改めて感じました。