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「犬島」の特徴とアート作品・観光スポット完全ガイド|瀬戸内国際芸術祭2019

瀬戸内海に浮かぶ島々にて、3年に一度の瀬戸内国際芸術祭2019が開催中です。今回は犬島の特徴と、犬島で観られるアート作品をまとめてご紹介します。

犬島の特徴

犬島は岡山県唯一の有人島です。古くは江戸城、大阪城、岡山城の石垣の切り出し場になっていたそうで、かつては採石業が盛んでした。良質な花崗岩(犬島みかげ)の産出で知られています。島の面積は約0.5km2、人口はなんと約50人、平均年齢75歳と、深刻な過疎化・高齢化の地でもあります。

犬島の産業遺産である精錬所の保存・再生を目指し、犬島精錬所美術館が2008年に開館されました。その後も集落再生の「家プロジェクト」が始動するなど、今では風景と一体となった複数のアート作品やギャラリーが島に点在しています。

犬島精錬所美術館と家プロジェクト、犬島くらしの植物園は2,060円の共通チケットとなり、まとめて一緒に観ることができます。なお休島日は季節により変動しますので、ベネッセアートサイト公式の開館カレンダーをご参照ください。

犬島中心部

三分一博志/柳幸典 犬島精錬所美術館

こちらは近代化産業遺産である銅の精錬所を再生した美術館です。建築は瀬戸内に根ざし活動する三分一博志(さんぶいちひろし)で、そのコンセプトは「在るものを活かし、無いものを創る」。犬島で採掘された石やカラミ煉瓦、既存の煙突などをもとにして、自然エネルギーを活用して作られたエコな美術館です。

犬島精錬所は、もともとは塩害対策や原料輸送の利便性向上のために、1909年に建設されました。犬島の人口は一時5,000人を超えるほどまでに急増します。しかしその後、銅の価格が大暴落し、精錬所はわずか10年で操業を終えることとなりました。日本の産業発展の過程を遺構が良好な状態で保存されていることから、平成19年度経済産業省による「近代化産業遺産群33」の「story30」に認定されています。

建物内部では柳幸典(やなぎゆきのり)による、日本の近代化に警鐘を鳴らした三島由紀夫を題材とした作品が展開されています。現代社会が失ったもの、これからの未来を考えるきっかけとなることでしょう。

所在地 岡山県岡山市東区犬島327-4
開館時間 9:00〜16:30(最終入館16:00)
休館日 3月〜11月 火曜日
12月〜2月 火〜木曜日
※祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は火曜日開館、翌水曜日休館
鑑賞料金 2,060円
(犬島「家プロジェクト」、犬島 くらしの植物園と共通)
※15歳以下は無料
チケット 当日現地の犬島チケットセンターにて購入
公式情報 ベネッセアートサイト直島:犬島精錬所美術館

妹島和世 犬島 くらしの植物園

植物園を設計した建築家の妹島和世(せじまかずよ)は、西沢立衛(にしざわりゅうえ)との建築ユニットSANAAでも知られています。長らく使われていなかったガラスハウス*と約4,500m2もの土地を、犬島の風土や文化に根ざした植物園として再生させました。多種多様な植物が広場を彩ります。

大きな特徴としては、参加型のプログラムも組まれているところが挙げられます。見学のみならず土地の開墾から食料の自給自足など、自然のサイクルに身を置きながら、自然とともにくらす喜びを体験できる場を提供しています。併設のカフェやショップで一休みするのもよさそうです。

*ガラスハウス:ビニールハウスよりも耐久性・密閉性に優れた、ガラス張りの温室。農作物の栽培などに使用する。
(小学館 デジタル大辞泉より引用)

所在地 岡山県岡山市東区犬島53
開館時間 9:00〜16:30(最終入館16:00)
休館日 3月〜11月 火曜日
12月〜2月 火〜木曜日
※祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は火曜日開館、翌水曜日休館
鑑賞料金 2,060円
(犬島「家プロジェクト」、犬島 くらしの植物園と共通)
※15歳以下は無料)
チケット 当日現地の犬島チケットセンターにて購入
公式情報 ベネッセアートサイト直島:犬島 くらしの植物園

妹島和世 中の谷東屋

芸術祭に訪れる方々に親しまれている休憩所。鏡面仕上げの屋根が付いており、周囲の景色が写り込んでいます。周囲の自然の音や声を聞きながら、一休みしてみてはいかがでしょうか。

開館時間 屋外展示作品のため特になし
休館日 無休
鑑賞料金 無料
チケット 不要
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:中の谷東屋

犬島「家プロジェクト」

直島の家プロジェクトについて以前紹介しましたが、犬島でも同様のプロジェクトが展開されています。2010年、「桃源郷」をテーマにしたギャラリーが、集落に複数開館しました。これらはかつての民家の屋根瓦や古材、周囲の風景を映すアルミなど、様々な素材で作られています。

開館時間 9:00〜16:30(最終入館16:00)
休館日 3月〜11月 火曜日
12月〜2月 火〜木曜日
※ただし祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は火曜日開館、翌水曜日休館
鑑賞料金 2,060円
(犬島「家プロジェクト」、犬島 くらしの植物園と共通)
※15歳以下は無料
チケット 当日現地の犬島チケットセンターにて購入
公式情報 ベネッセアートサイト直島

名和晃平 F邸/Biota(Fauna/Flora)

F邸は神社に隣接する民家をリノベーションしたお家です。動物や植物を想起させるいろいろな形のオブジェや、多様な物質の表面からできた彫刻など、作品と建物全体とが織りなす空間にダイナミックに新しい生命の形を表現しています。大阪出身の現代アーティスト名和晃平(なわこうへい)です。

荒神明香 S邸/コンタクトレンズ

S邸は透明なアクリルの壁に囲まれたお家です。大小様々な円形レンズが無数に浮かび、周囲の集落や風景を映し出します。作家は広島県出身の現代アーティスト荒神明香(こうじんはるか)です。

ベアトリス・ミリャーゼス A邸/イエローフラワードリーム

イエローフラワーとタイトルにある通り、大きな黄色いお花の形をした作品です。ブラジルの作家ベアトリス・ミリャーゼスによるこの作品の壁は、カラフルでエネルギーに溢れています。柄に規則性はなく、見る角度によって表情を変える作品は島の景色に新たなリズムを生み出しています。

半田真規 無題(C邸の花)

かつては集会所であった場所に、ひっそりと大きな木彫りの花が置かれています。犬島に生きる人々から発せられるエネルギーにインスピレーションを受けて制作されました。神聖な場所に奉納された切り花の如く、青く静かな力を秘めているかのようです。

オラファー・エリアソン I邸/Self-loop

3つの丸い鏡が部屋を囲っています。作品の中央に立って鏡を覗き込むと、2方向に開かれた窓からの風景と自分とが無限にループし、タイムトンネルのような時空を旅する感覚に誘われます。

淺井裕介 石職人の家跡/太古の声を聴くように、昨日の声を聴く

異国の遺跡のようなエキゾチックな雰囲気を漂わせるこちらの作品。ゴム素材を焼き付ける手法で地面に描かれました。敷地内に収まることなく少しずつ描き足され広がっていっています。

犬島は精錬所美術館を中心に一気見しよう!

以上、「犬島」の特徴とアート・観光スポット完全ガイドでした。犬島のアート施設は共通チケットがあるので、しっかりと時間をとって作品を一気見しちゃいましょう。

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sholo
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下町生まれ下町育ちの会社員。医療系の広告代理店を経て、医療系の人材関連会社でウェブの企画・編集の仕事をしています。ライブに行くこと、三味線を弾くこと、映画を観ることなどが好きです。医療やデザイン、地域に関する話題を中心に、明るく楽しく、わかりやすく書いていきます。