マッサージ後に起こる揉み返しとは?原因と対処法・予防法

揉み返し

[ 最終更新日 05.05.2023 ]

マッサージや整体に行ったあと、施術してもらった箇所が重たく感じられたり、痛みが出たりしたことはありませんか?「揉み返し」と呼ばれる現象だと思っているかもしれませんが、もしかするとそれは「好転反応」かも。

本記事では、揉み返しとは何か、またそれが起こる原因・対処法、そして揉み返しを起こさないための予防法を解説します。

揉み返しとは?

揉み返しとは、マッサージや整体などで過度に強い圧力をかけて揉みほぐされた後、筋肉の一部が損傷して炎症が起き、施術を受けた箇所に痛みが出る現象です。症状がひどい場合は内出血を起こすことや、頭痛・吐き気・発熱・不眠といった症状を伴うこともあります。

ただし、この症状が3日以上続く場合や、痛みが強い場合に「揉み返し」と呼ばれます。一時的な症状、軽度であれば、それは「好転反応」です。

肩揉み

好転反応とは?

好転反応とは、マッサージなどの施術を受けた後、一時的に、施術部位周辺に痛みが出たり、全身に倦怠感(重たい感じ)・だるさ・ほてりが出たりする現象です。

正常な状態へ戻る際に起こるものであり、身体に悪い現象ではありません。安静にしていれば2〜3日で通常の状態に戻ります。

なぜ起こる?揉み返しの原因

揉み返しや好転反応はなぜ起こるのでしょうか。まずは「好転反応」が起きる原因をご説明します。

マッサージなどの施術を受けると、縮まっていた筋肉が揉みほぐされ、急に血流が良くなり、身体に溜まっていた老廃物が循環します。老廃物はやがて尿や汗となり体外へ排出されますが、排出されるまでは体内を巡り、一時的に全身に不調を感じることになるのです。

マッサージ

次に、筋に損傷を起こすレベルの「揉み返し」が起こる原因としては、主に次の2点が考えられます。

圧力のかけすぎ(ドーゼオーバー)

筋肉の構造は、筋肉の細い筋が束状になった「筋繊維」と、その束を包む「筋膜」で構成されています。圧力の強すぎる施術を受けた場合、この筋繊維や筋膜が傷ついて、炎症を起こします。刺激の許容量は人によって異なるため、自分に合った許容量の範囲で背術を受ける必要があります。

ちなみに刺激量が過多になることはドーゼオーバーまたはオーバードーゼとも呼ばれており、これはマッサージや整体以外に指圧や鍼灸(しんきゅう)でも起こることがあります。

無理な姿勢での施術

無理な姿勢で施術を行うと、圧力のかけすぎと同様、痛みなどの不調につながります。中でも特に首や背中は脊髄神経が通っているデリケートな部位であり、負担がかかることによるリスクは大きいため、注意が必要です。

体調がなかなか戻らない場合や、痛みがひどく改善されない場合は、医療機関を受診してください。

揉み返しを起こらないようにする予防法

続いて、揉み返しの予防法や、症状を和らげる方法について解説します。

(1)積極的に水分補給をする

マッサージなどによって一気に身体に巡った老廃物を、体外へ排出する働きを促すため、水分をこまめにとりましょう。マッサージ後に水分を多めに摂るように言われるのはこのためです。

激しい運動による脱水予防や疲労回復が目的ではないため、スポーツドリンクやジュースではなく、水か白湯、炭酸水を飲みましょう。

水

(2)ストレッチで筋肉に柔軟性を持たせておく

筋肉に柔軟性がないと、損傷しやすくなります。普段からストレッチなどを定期的に行なっておくことで、圧をかけた際の刺激が緩和されるようにしておきましょう。老廃物が一気に流れ出すことでも、倦怠感は強く出やすくなります。

(3)弱めの力で施術してもらう

いきなり強い刺激を与えるのではなく、弱い力からスタートしてもらうようにしましょう。特にマッサージなどを初めて受ける方や、久しぶりに受ける方は、揉み返しが起こりやすいといわれています。

施術を受けていて刺激が強いを感じたときは、我慢せず遠慮なく申し出て、力加減を変えてもらいましょう。強い力で、痛いほうが効果があるわけではありません。

とはいえ、強い刺激がお好みの方もいることでしょう。前述の通り、刺激の許容量には個人差があります。リラクゼーション目的の施設での施術で、強い刺激がお好みの場合は、(1)、(2)の対応もセットで行うなど、症状の緩和に努めましょう。

揉み返しが起きたときの対処法

揉み返しは通常2〜4日程度、長くても1週間程度で回復しますが、ずっと痛みを抱えているのもつらいものです。最後に、揉み返しが起きてしまった場合に、なるべく早く改善するための対処法をご説明します。

(1)患部を冷やす

氷

揉み返しはケガをしたときと同様、筋肉が損傷し炎症を起こしている状態です。そんなときは冷湿布や保冷剤で患部を冷やすことが大切です。痛みの緩和が期待されます。

冷やすタイミングは炎症が起きてすぐ〜翌日までの期間(急性期)で、1回10分〜15分程度の時間、1時間程度は間隔を空けて行うようにしましょう。

ただし、皮膚に直接氷や保冷剤を当てると、凍傷を起こす可能性があります。タオルなどで包んで、一箇所をずっと冷やすのではなく、時々あてる箇所をずらしながら冷やしましょう。

痛みや発熱がある場合は、悪化させる可能性がある入浴も控えたほうが望ましいです。

(2)運動・ストレッチを控える

痛みを和らげるのにストレッチが有効と考えるかもしれませんが、ストレッチは筋繊維を伸ばす行為であり、損傷した状態の筋肉を余計に傷つけてしまうおそれがあります。施術後にはストレッチを控え、炎症を悪化させる激しい運動も避け、安静にして過ごしましょう。

(3)飲酒を控える

飲酒によっても血行が良くなるため、炎症部位の痛みが増強される可能性があります。アルコールにより肝機能の働きも悪くなるため避けましょう。

揉み返しと好転反応の違いを理解し適切な対処を

揉み返しと好転反応を同じように捉えていた方も多いのではないでしょうか。揉み返しと好転反応では対処法が異なるため、症状に応じて適切な対応を行いましょう。

Posted by
sholo

下町生まれ下町育ちの会社員。ウェブの企画・編集の仕事をしています。ライブに行くこと、三味線を弾くこと、映画を観ることなどが好き。