［ 最終更新日 08.04.2023 ］
3年ちょっとですがDTPデザイナー・オペレーターの派遣社員をしていました。
当時年齢は20代後半でしたが、派遣社員の中では若い方でした。
女性は30代～40代、男性は40代～50代が多くいたように感じています。
ところでDTPデザイナー・オペレーターをしてみたいと思った理由は何でしょうか？
人それぞれあると思いますが、私の場合はこんな感じでした。
デザイン事務所で精神体力面ともに疲弊してしまったことが原因で、その時期は「人と関わらないでやれる仕事がないのか」と思うほどになっていたんです。そんな時に、同時期に同じく激務の制作会社で心身共に疲れ果てた友人が先に派遣をやっていて、「誰とも話さなくていいし、言われたことやるだけだから楽だよ」と言っていたのを聞き、ひとまずは派遣社員をすることにしました。
というのが理由です。
「人と話したくない」ということがとにかく頭にあったというのが大きな理由のひとつでした。ただ最初に長期を選んだのですが、社員の方がフレンドリーでコミュニケーションはかなりありました。「話しと違う！」と思ったのですが、事務所時代とは違いゆるーい職場環境、事務所時代ではあり得なかった定時上りもできる、給与は事務所時代よりかなり上がった、などがありそんなことはどうでもよくなっていました。
そして結論をいうと、派遣社員時代を振り返るとかなり楽でした！こんなに気持ちが楽になる仕事もあるんだと知りましたね。しかし、メリットもあればデメリットもあります。それをこれから書いていこうと思います。
派遣社員を考えている方に少しでも参考になれば幸いです。
DTPデザイナー・オペレーターの派遣社員の向き不向き
まず初めに向き不向きですが、ざっくりいうと以下のようになります。
あくまで私の経験からですので参考程度で。
DTP派遣社員に向いている人
- 黙々と作業がしたい。
- 言われたことをやるだけでいい。
- コミュニケーションが苦手で会社という組織が苦手。
- 主婦・主夫の方。
DTP派遣社員に向いていない人
- 自分で積極的に考えて仕事をしたい。
- チームで作業したい。
- 成長したい。
- 新しいことに挑戦したい。
ざっくりですが、こんな感じです。
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派遣社員になるには
派遣会社に登録します。私は記憶にあるだけでも6社は登録していました。クリエイター専門の派遣会社4社・様々な業種を扱う派遣会社2社。
登録には初めに技能の実技テストがあります。基本の基本ができれば問題はないと思います。恥ずかしい話ですが、応用も出されますができなかったので。ただし、DTPのエキスパート向けの仕事を希望する場合は応用的な技術が必要だと思います。基本的にただソフトが使えるだけではダメですよ。その辺を勘違いしている方が多く感じます。
面談もあり、何を聞かれたまでは覚えていませんが、大体どこも同じようなことを聞かれた記憶はあります。ただし、派遣会社の方も曖昧だなーということがありました。
私はデザイナーとして希望を出していたのですが、
ゴリゴリのDTPのプロがやるような仕事を紹介され、「自分のスキルとは違いすぎますので無理です」と言っても、「絶対大丈夫ですから」と強引に面接に連れて行かれ、赤っ恥をかくということがありました。自動組版やったことないし、プログラム書けるかとか、そんなもん知らないすもん。多分ほとんどの人が知っている出版系の会社です。質問の内容がまったくわからずほとんど答えられませんでした。
さらに、別の派遣会社からも同じ派遣先を紹介され「この間面接行って仕事内容が専門外でした」と伝えたのに、「多分違う部署で仕事違いますよ、デザインのお仕事です」と言われ、それを信じかなり推されたのもあり渋々面接に行ったら、前回と同じ人達がでてきました。同じ仕事の募集でした。流石に派遣先の会社の方も困惑していましたね。「先日お会いしましたね」なんて言っちゃって5分で面接終了。派遣会社の方からはかなり謝罪されました、ということがありました。
こちらからすると、派遣会社の方は持っているスキルで何ができるかよくわかっていないのかな？誰でもできると思ってるのかな？と専門的なことを斡旋している割にはいい加減だなと疑問が湧きました。
長期派遣と短期派遣
長期と短期を経験しました。
長期は2年。短期は1日のみもあれば1週間もありました。私が契約していた派遣会社はどこもタイミングにより長期を望んでいても短期しかない場合は短期を紹介されていたと思います。長期と短期では役割が違います。
これは私の経験からなので、他では違う可能性があります。だいたいこんなもんだということで読んでください。さらに言うと会社ごとに派遣社員の扱いは違うと思うので例として読んでくださいね。本当にまちまちだと思います。
長期派遣
デザイナーとして2社で長期を経験しました。細かいところは企業によって違いますが、大体は業務を正社員と同じようにこなすので力はついていきます。コミュニケーションは結構あります。私が派遣されたところは社員とのコミュニケーションは多く、社員とも飲みによく行ってました。また残業も多く稼ぐにはよかったです。残業は平均で40-50時間くらいでした。毎日が楽しく、1週間が速く充実した毎日を送れていました。紹介予定派遣であれば正社員になる前提ですので、正社員になりたい人は紹介予定派遣にしましょう。
短期派遣
コミュニケーションはほぼありませんでした。最初と最後くらいですね。あとは不明点を聞くときくらい。仕事内容は一時的なお手伝い。派遣先もバラバラなので対応力がつきます。残業させてもらえないところもあり、作業スピードが身につく。気に入られれば短期で何回も呼ばれます。大抵の場合、一時的な手伝いで呼ばれることが多いと思います。ですので、結構面倒くさい仕事が多かったです。
私の派遣社員経験談
長期派遣2回
1回目はとある企業で月刊や季刊で発行される冊子制作のオペレーション業務をやっていました。正直な感想、めっちゃつまらなかったです！興味のない分野でもありましたが、デザイン要素が一切ない作業なので。編集がつくったword原稿をIndesignに流して調整するだけです。ページが多いものはそれなりに時間がかかりますが難しいことはなく、デザイン事務所に比べたら楽すぎて楽すぎて。正社員の作業スピードがもの遅く驚き、私は午前中に1日の作業が終わってしまうこともあり、時間を潰すこととどう稼ぐかで苦労しました。
2回目は中規模代理店。ここは、パンフレットやらチラシやらを初日から作らしてくれ、とても楽しかったです。その後デザインでの信頼を得て、派遣終了後に正社員に登用されました。その後正社員で6年お世話になりました。
短期派遣3回
1社 3日間
コミュニケーションはないが話しかけてくれる人が何人かいた。派遣会社から挨拶しろとは言われていたので(言われなくてもするけど)、挨拶するとガン無視してくる社員もいた。パンフレット制作。社員が作ったフォーマットに沿ってレイアウト。ものすごく細かくて大変。派遣にやらせるだけある。3日間同じことを繰り返し終了。3日で残業15時間くらいだった。次週も指名で呼ばれ、違うパンフレットを。今思えばかなりの激務会社だったけど、そのあとすぐ倒産してました。泣ける！
1社 1日のみ
冊子のコーナーのレイアウト。あまりにも簡単で、なんでこれを派遣に？というものだった。確かお昼前に終わって、午後一で見せてそのあとやることがなくて定時で帰った。
1社 1日のみ
フォーマットに合わせて作るパンフレット。簡単。
成長したい・安定したいなら正社員になろう
僕は結局は正社員に戻りました。なぜならデザイン事務所と違った意味で精神的に不安が大きくなったからです。将来このままで大丈夫なのだろうか、派遣先が途絶えたらどうしよう、などを考えるようなっていました。
また仕事面でも、デザインが思い切りできないこともあり不満がたまっていました。デザイナーとして派遣されてもオペレーター業務の場合もあります。デザイナーからしたら淡々とした作業になるので飽きがきます。
デザインをしたいならば短期派遣はやめた方が無難です。デザイン業務の場合もほとんどがフォーマットがあるものを渡されて、それに要素を入れて整理することが多いと思います。実際、僕が短期の派遣の方に頼むときはそうします。手伝ってほしいから短期で呼ぶんです。ただ、デザインを考えて入れ込んでほしいのでオペレーターの方にはお任せはしません。
長期でデザイナーやるか正社員になるか、またはフリーランスでやるか。
中規模以上であれば、派遣が複数人いる場合も多いので派遣仲間と友好を深めるのもいいでしょうけど、大抵そういうのが嫌だから派遣やってる人多いですよね。
あと派遣やってるときの心の状態ですが、当初は「すげー楽だ、いいな派遣」とポジティブな気持ちになったものの、段々と「このままでいいのだろうか」「金が今月少ないな」「デザインをゼロからやりたい」など、色々と考え始め心が不安定になっていきました。漠然と不安が付き纏う状態だったので私は正社員を選びました。
もし派遣をやりたい理由に、「コミュニケーションをあまりとりたくない」ということが大きくあった場合、短期派遣にするといいですよ。短期は恐らくどの職場もコミュニケーションほとんどいりません。しかし短期は安定性がないので心はいつも不安が付き纏う可能性があります。
長期ですとどうしても話さないとダメなことが多くあります。しかしこちらも職場によっては一切話さないでもいい場合があります。
まー、今は正社員ですけど、色々ありますよね。
残りの人生、どうしようか考え中です。
