はとバスで行く!東京下町八福神参り

[ 最終更新日 11.03.2021 ]

生まれも育ちも東京下町の私ですが、年末年始休みに、はとバスの日帰りツアー「東京下町八福神参り」に夫婦で参加してきました。都内在住者でも、都内の観光スポットに足を運ぶことはなかなかありません。はとバスは都内の観光スポットを効率よく回って解説をしてくれて、けっこう楽しいです。今回は下町八福神とは何か、寺社巡りの楽しみ方や、ツアーの様子などをレポートします。

東京の「下町八福神参り」とは?

「下町八福神参り」とは、東京下町にある8つの神社を周って、それぞれに祀られている神様から8つのお恵みを受けられるというお参りです。8つの神社と各ご利益は以下の通りです。

下町八福神とご利益

小網神社 強運・厄除
水天宮 安産・子授け
第六天榊神社 健康長寿
住吉神社 交通安全
小野照崎神社 学問
今戸神社 縁結び
鷲神社 金運
下谷神社 家内安全

はとバスのツアーではそれぞれを15分〜20分程度で周って8箇所を制覇します。あらゆる力のある神社を一つひとつ巡るというだけで、なんだか福が舞い降りてきそうな気持ちになってきます。

神聖な場所を巡ることを巡礼といいますが、この八福神の巡礼を楽しむための縁起物アイテムがいくつかあるので、ご紹介します。

御朱印を戴きながら巡る「色紙」

中心部に縁起のよいイラスト、周囲に八福神の神社名が予め記載された、巡礼用の色紙です。8つの神社のうちどこでも販売されており、最初に訪れた神社で購入します。スタンプラリーのように、神社名のところに各社で御朱印を押してもらいます。御朱印が8つ揃えれば色紙完成です。

価格については色紙は400円、御朱印はそれぞれ200円。なので完成させるには2,000円となります。なお予め8つ押印済の色紙を2,000円で購入することもできます。

御朱印を戴きながら巡る「末廣福扇」

こちらは色紙ではなく、扇子に御朱印を戴くパターンのアイテムです。色紙と同様、各社を巡りながら御朱印を集めます。

価格は末廣福扇の本体が1,400円、御朱印がそれぞれ200円ですので、完成させるには3,000円となります。

内符を集めながら巡る「八福守り」

お守りの外側の袋を「御守袋」、中身を「内符(うちふ)」といいますが、こちらは御守袋を最初に購入し、中身の内符を各社を巡って集めるアイテムです。御守袋はどこの八福神でも購入することができます。御守袋には縁起のよいイラストが刺繍され、全体的に薄いピンク色です。色紙よりかさばらず可愛らしいなと思い、私はこのアイテムで巡礼することにしました。

価格は御守袋が400円、内符は各社で200円で購入できます。色紙と同じく完成させるには2,000円となります。

東京駅よりいざ出発!はとバスツアーの様子

12月の下旬にふと思い立ち、ネットで年始の日帰りはとバスツアーに申し込みました。残席があればかなりギリギリでも申し込みできるようです。プランは東京駅を午前10:00に出発し、ランチを挟んで17:00頃にまた東京駅に戻ってくる流れ。費用は大人1名あたり8,980円とお手頃価格でした。

サイトには「1名以上から決行」という旨の記載があり、夫とは「我々だけだったら気まずいね…」と話していましたが、いざ行ってみると中型バスがほぼ満員になる程度の賑わいで安心しました。参加者の年齢層は予想通りではありますが、50〜60歳代がほとんど。ご夫婦・友人同士・ご家族での参加が多いようでしたが、1人で参加されている方も何名かいらっしゃいました。

東京駅の丸の内口にはとバス乗り場が広がっており、集合場所は比較的わかりやすいです。ただし、はとバスの中でも様々な種類のツアーが同時進行しています。乗り場が何番かまでは事前に知らされないため、乗り場の張り紙を見て、自分が参加するツアーが何番乗り場なのかを最初に確認する必要があります。感じのよいガイドさんと運転手さんが出迎えてくれました。

強運厄除のご利益「小網神社」

出発して最初に向かったのは、強運・厄除の神様で知られる小網(こあみ)神社。中央区日本橋に鎮座しています。第二次世界大戦の際、戦地に赴くこととなった氏子さんはここの御守りを持って出兵し、なんと全員が生還したそう。東京大空襲でも戦火を免れたといったエピソードもあり、ご利益があると評判の神社です。さらに境内にはお金を洗って財運がよくなる「銭洗いの井」があり、「東京銭洗い弁天」とも呼ばれています。

ガイドさんからは、初詣の人が多くて参拝できないところがあるかも…と事前に聞いてはいましたが、小網神社は大行列!私の参加したのはお正月三ヶ日ではありませんでしたが、それでも参拝することはもちろん、御朱印をもらったりお守りを買ったりすることもできないほどの混雑っぷり。聞くととても人気のある神社で、平日でも並ぶほどとのこと。

出鼻を挫かれた形にはなりましたが、団体行動なのでワガママは言えません。止むを得ず遠くからお参りしてその場を後にしたのでした。時期を改めてまた参拝したいと思います。

小網神社へのアクセス
所在地:東京都中央区小網町16-23
交通:
東京メトロ日比谷線「人形町」駅A2出口より徒歩5分
都営浅草線「人形町」駅A5出口より徒歩7分
東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅8番出口より徒歩10分
東京メトロ東西線「茅場町」駅10番出口より徒歩15分

▶︎小網神社のウェブサイト

安産・子授けのご利益「水天宮」

続いて向かったのは、小網神社の近くにある水天宮(すいてんぐう)。こちらは安産・子授けのご利益で有名な神社です。中央区日本橋、東京メトロ水天宮前駅からすぐのところに鎮座しています。外観はきれいで洗練されていて、なんだかおしゃれ。祀られている神様は4柱で、そのうち天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)が日本の神々の祖先神とされており、安産・子授けなどにご利益があると伝えられています。

混雑を覚悟していましたが、参拝できないほどではなかったので一安心。少し並んで無事に本殿でお参りをし、ここで八福神の御守り袋と内符を買うことができました。

「子宝いぬ」も見どころのひとつ。かわいい犬の親子の像です。周囲を囲んでいるのは十二支の干支で、自分の干支を撫でるとご利益があるといわれているそうです。ゆっくりとは見られませんでしたが、犬の親子のイラストが入った「福絵馬」が販売されていて、これがとても可愛いです。公式サイトの「縁起物」のページでぜひチェックしてみてください。御朱印帳も品のある渋カワなデザインです。

水天宮へのアクセス
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1
交通:
東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」5番出口より徒歩1分
東京メトロ日比谷線「人形町駅」A1出口より徒歩6分
都営地下鉄浅草線「人形町駅」A3出口より徒歩8分
都営地下鉄新宿線 「浜町駅」A2出口より徒歩12分

▶︎水天宮のウェブサイト

健康長寿のご利益「第六天榊神社」

バスの車窓から三越やコレド室町を眺めながら、次に健康長寿のご利益のある第六天榊(だいろくてんさかき)神社へ向かいます。普段は電車移動なので、東京の町並みをバスからゆっくり眺められるのも味わいがあります。こちらは台東区蔵前に鎮座している、とても静かで落ち着いた、厳かな雰囲気の神社です。

こちらではゆっくり参拝し、2つ目の内符を購入しました。なんだかアイテムを集めながら攻略していくゲームのようで楽しくなってきます。なお公式サイトは開設していないようで、あまり詳しい情報は得られませんでした。

第六天榊神社へのアクセス
所在地:東京都台東区蔵前1-4-3
交通:
都営地下鉄浅草線・大江戸線「蔵前駅」より徒歩3分
JR総武線「浅草橋駅」より徒歩5分

▶︎東京都神社庁「第六天榊神社」

交通安全のご利益「住吉神社」

車窓からスカイツリーや江戸東京博物館、両国のちゃんこ鍋屋さんなどを眺めつつ、続いて向かったのは東京都中央区に鎮座する住吉神社。こちらは交通安全のご利益で知られています。神社へ向かう途中には赤い橋(佃小橋)のかかった池があり、これを渡るのもなかなか雰囲気があってよい感じです。

重厚感のある社殿は、大きな緑色の屋根が特徴的で、歴史を感じます。最寄り駅は月島駅ですが、この周辺の地域は東京湾の玄関口だったため、古くから海上安全・渡航安全の神様として信仰されていたようです。隅田川にもほど近い位置でわかる気がします。

こちらも比較的空いていたので、ゆっくりお参りをして、3つ目の内符をゲットできました。

住吉神社へのアクセス
所在地:東京都中央区佃1-1-14
交通:
東京メトロ有楽町線・都営大江戸線「月島駅」6番出口より徒歩5分

▶︎住吉神社のウェブサイト

江戸前寿司食べ放題!昼食は銀座キャピタルホテルにて

お腹もすいてきたところで、築地にある銀座キャピタルホテルにて、江戸前寿司をいただきました。予め8巻ほど用意されていて、おかわりは職人さんにその場で握ってもらえる食べ放題です。一番美味しかったのは、海苔がパリパリのネギトロ巻きでした。1時間ほどくつろいでから次の目的地へ移動です。

学問芸能のご利益「小野照崎神社」

車窓から歌舞伎座、江戸橋ジャンクションなどを眺めながら、次に向かったのは小野照崎(おのてるさき)神社。

こちらは入谷に鎮座する、小野篁(たかむら)公と菅原道真公をお祀りする神社です。小野篁公は平安初期有数の歌人で、漢詩の天才と称され、さらには国の要職まで務めた方だそうです。菅原道真公といえば学問の神様ですよね。仕事や学業、習い事などの向上・上達を願う方々に広く参拝されています。寅さんで有名な渥美清さんが、無名時代にこちらで願掛けをして役をつかんだというエピソードも伝わっているのだとか。

規模はそれほど大きくはない神社で、参拝客も並んでおりお参りに時間がかかってしまいました。15分しか時間がないのに、パンフレットをガイドさんから受け取るのにも時間を取られ、ここでは内符を購入できませんでした。残念。また日を改めて訪れたいと思います。

小野照崎神社へのアクセス
所在地:東京都台東区下谷2-13-14
交通:
東京メトロ日比谷線「入谷駅」4番出口より徒歩3分
JR「鶯谷駅」南口より徒歩7分

▶︎小野照崎神社のウェブサイト

縁結びのご利益「今戸神社」

八福神の中ではこちらが1番有名でしょうか。続いては縁結びのご利益で有名な、浅草にある今戸(いまど)神社へ向かいます。

お祀りしているのは應神(おうじん)天皇、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、福禄寿(ふくろくじゅ)。伊弉諾尊と伊弉冉尊は夫婦の神様なので、これが元で縁結びの神様といわれています。境内に掛かっている絵馬には、恋にお悩みの方々の願い事がたくさん書かれていました。絵馬は丸い形が特徴です。

広い境内を歩いて本殿へ向かうと、至るところに招き猫が。招き猫発祥の地(※諸説あり)だそうで、招き猫がシンボルとなっています。お参りの前にははとバスツアー客限定で、特別にご祈祷をしていただきました。撫でると願いが叶うという「石など猫」の石像をなでなでするのも忘れずに。

婚活神社としても知られる神社だそうで、境内でいわゆる街コンのようなイベントも開催されているそうです。御守りも可愛い招き猫のデザインがたくさんあって迷ってしまいます。御朱印帳も人気のようで、濃いピンクに大きな招き猫の描かれたデザインが、恋愛運上昇パワーがありそうです。商売上手。かなり混雑してはいましたが、無事に内符は購入できました。

今戸神社へのアクセス
所在地:東京都台東区今戸1-5-22
交通:
「浅草駅」から徒歩15分
※駅から遠いので、都営バスまたはコミュニティ循環バス「北めぐりん」の乗車がおすすめです。
バスの場合「リバーサイドスポーツセンター前」下車徒歩1分

▶︎今戸神社のウェブサイト

金運のご利益「鷲神社」

バスでの移動とはいえ徐々に疲れてきましたが、あと少し。続いては金運の神様が祀られた鷲(おおとり)神社へ向かいます。

こちらは日本武尊(やまとたけるのみこと)をお祀りし、商売繁盛の神として信仰されています。例年11月に開かれる「酉の市」というお祭で有名な神社です。縁起熊手が売られている露店をイメージしていただくとわかりやすいでしょうか。酉の市起源発祥の神社ということで、日本最大規模の賑わいになります。さすが金運の神様、立派な大熊手が飾られるなど、ずいぶんと派手な外観です。

お参りをすると目に入るのが、拝殿に鎮座した大きな「なでおかめ」。

おでこをなでれば賢くなり
目をなでれば先見の明が効き
鼻をなでれば金運がつく
向かって右の頬をなでれば恋愛成就
左の頬をなでれば健康に
口をなでれば災いを防ぎ
顎から時計回りになでれば物事が丸く収まると云う

ということで、とりあえず顔中ペタペタなでさせていただきました。いいことありますように。

内符も無事購入できました。なおこちらの神社は御守りを公式サイトからも購入できます。さすがです。ただし内符はネットでは購入できないようです。

鷲神社へのアクセス
所在地:東京都台東区千東3-18-7
交通:
地下鉄日比谷線「入谷駅」北口3番出口より徒歩7分
TXつくばエクスプレス「浅草駅」より徒歩8分
地下鉄銀座線「田原町駅」より徒歩15分
※コミュニティばす「南めぐりん」運行
東武線・東京メトロ浅草線・銀座線「浅草駅」より徒歩15分
JR「鶯谷駅」南口より徒歩20分
※コミュニティバス「北めぐりん」運行

▶︎鷲神社のウェブサイト

家内安全のご利益「下谷神社」

いよいよ八福神最後の神社、バスから河童橋の商店街を眺め、上野の近くに鎮座する下谷(したや)神社へ。大きな紅い鳥居をくぐって境内へと向かいます。

下谷神社は奈良時代に創建された、都内では最も古いお稲荷様です。祀られているのは大年神(おおとしのかみ)と日本武尊(やまとたけるのみこと)。厚く産業を守ってきており、商売繁盛と家内安全のご利益があるといわれています。

最後のお参りをし、家内安全・無病息災をお祈りしました。6つ目となる内符も購入。これにて今回の旅は終了となりました。

下谷神社へのアクセス
所在地:東京都台東区東上野3-29-8
交通:
JR山手線「上野駅」徒歩6分
地下鉄銀座線「稲荷町駅」徒歩2分
大江戸線「新御徒町駅」徒歩5分
都営バス「下谷神社前」徒歩2分

▶︎下谷神社のウェブサイト

下町八福神巡りは達成感があって楽しい!

バスもほぼ予定通りの時間に東京駅へ到着。神社を8つ巡ってアイテムを入手していくというのは、想像以上に達成感がありました!内符集めは6つしかできなかったのが心残りなので、空いている時期にまた改めて参拝したいと思います。御朱印集めが趣味の方にはたまらないでしょう。

はとバスは、時間を守らず戻ってこない乗客がいてやや待たされたり(その方は結局途中からいなくなりました…)、これは遠回りでは?と思われる道を歩いたりと少しだけ不安になる時間がありました。しかし基本的にはガイドさんの観光情報の解説、対応ともによく、効率よく全神社を周ることができ、満足のいくツアーとなりました。今度はまた別のツアーにも参加してみたいと思います。気になった方ははとバスの日帰りツアーをチェックしてみてください。

▶︎はとバスウェブサイト

Posted by
sholo

下町生まれ下町育ちの会社員。ウェブの企画・編集の仕事をしています。ライブに行くこと、三味線を弾くこと、映画を観ることなどが好き。