瀬戸内の島々で「瀬戸内国際芸術祭2019」夏会期が始まりました。特に現代アートの聖地「直島」では、有名なアート作品がたくさん観られますが、結局のところ「いつ・どこで・誰の・どのような・何を観られるのか?」がきちんとまとまっているサイトや雑誌が意外と見つかりません・・・そこで、自分で行って、調べて、まとめました!観光する際の参考にしてください。
直島の特徴
現代アートの聖地として知られる直島は、瀬戸内海にある人口約3,100人の香川県の島です。岡山県側からは宇野港、香川県側からは高松港からフェリーでアクセスできます。
アート作品が鑑賞できるエリアは、(1)フェリーの到着する宮浦港周辺、(2)ベネッセハウスミュージアムなど美術館の集まるベネッセハウス周辺エリア、(3)戦国時代の城下町を原形とする本村エリア、の大きく3つあります。それぞれのエリアごとに観られるアート作品をご紹介します。
なお、休島日は月曜日です。ベネッセハウスミュージアム以外は月曜日が休館となります。事前に開館カレンダーをチェックしましょう。私は混雑を避けて月曜日に行ったので、ベネッセの美術館周辺を中心にご紹介していきます。
参考)直島観光旅サイト
宮浦港周辺エリア
草間彌生 赤かぼちゃ
直島といえばコレ、フェリーが港へ近づくと真っ先に目に飛び込んでくる真っ赤な水玉かぼちゃです。作品の中に入ることもできます。草間彌生はこの作品について、「太陽の『赤い光』を宇宙の果てまで探してきて、それは直島の赤かぼちゃに変身してしまった」と語っています。
開館時間 | 屋外展示作品のため特になし |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 赤かぼちゃ |
藤本壮介 直島パヴィリオン
海岸で遠くの島を眺めたときに、海水面との境界線が切れて浮き上がって見える現象のことを「浮島現象」と呼びますが、この現象をかたどった展示作品です。なので浮遊感があります。直島町は27の島々で構成されていますが、28番目の島というコンセプトで作成されました。赤かぼちゃと同様、作品の中に入れるようになっています。また夜はライトアップされ、また違った表情を楽しめます。
開館時間 | 屋外展示作品のため特になし |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 直島パヴィリオン |
ジョゼ・デ・ギマランイス BUNRAKU PUPPET
直島は江戸時代より芸能が盛んで、特に女性がする操り人形浄瑠璃のお芝居、「直島女文楽」はその代表でした。この作品は直島女文楽の人形の動きや着物に着想を得て作られています。原色の青が鮮やかな作品です。
開館時間 | 屋外展示作品のため特になし |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 BUNRAKU PUPPET |
SANAA 海の駅なおしま
2006年にオープンした宮浦港のフェリーターミナルも、デザインされた開放感のあるアート作品です。細いポールが屋根を支える軽やかな平屋建てとなっています。設計は妹島和世(せじまかずよ)と西沢立衛(にしざわりゅうえ)による建築家ユニットSANAA(サナア)。観光案内所やカフェ、特産品の販売店も入っています。
開館時間 | 屋外展示作品のため特になし |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 海の駅なおしま |
西沢大良 宮浦ギャラリー六区
残念ながら現在休館中ですが、こじんまりとしたアートギャラリーです。かつては「パチンコ999(スリーナイン)」というパチンコ屋で、正面の佇まいはそのまま残されています。隣接する公園とともに新たな島民の憩いの場として生まれ変わりました。鑑賞者と直島の子どもたちが同じ空間に共存できるよう、ギャラリーの出口が公園側に設けられているのもポイントです。
公式情報 | ベネッセアートサイト直島 宮浦ギャラリー六区 |
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大竹伸朗 I❤︎湯
実際に入浴もできるカラフルな美術施設で、島民と来訪者の交流の場として設立されました。大竹伸朗(おおたけしんろう)の得意なスクラップブック(記録用に新聞記事や雑誌記事などを貼り付ける)の技法で作成されています。日本全国から集められた材料を使っており、浴槽・風呂絵・モザイク画・トイレの陶器に到るまでアート全快な装飾です。グッズ売り場も気になりますね。銭湯ですからマナーを守って入浴とアートを楽しみましょう。
開館時間 | 13:00〜21:00(最終受付20:30) |
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休館日 | 月曜日 ※ただし祝日の場合は開館、翌日休館 メンテナンス期間は臨時休館あり |
入湯料 | 650円 ※15歳以下300円、3歳未満は無料、島民は310円 |
チケット | なし(当日現地にて支払い) |
公式情報 | ベネッセアートサイト直島 I❤︎湯 |
ベネッセハウス周辺エリア
安藤忠雄 ベネッセハウスミュージアム
「自然・建築・アートの共生」をテーマに安藤忠雄が設計した、ホテルと一体になった美術館です。瀬戸内海を望む高台に1992年に開館されました。作品は展示スペースのみならず館内・屋外含めいたるところに設置されています。設置場所はアーティストが自ら選んで制作しているとのこと。林の中にある作品もあり、まさに直島の自然とアートの融合で魅力的な空間を築いています。安藤忠雄のほか大竹伸朗、アンディ・ウォーホル、国吉康雄、岡﨑乾二郎、杉本博司、草間彌生、ニキ・ド・サンファールなど、著名なアーティストの作品をたくさん観ることができます。
歩き疲れたらおしゃれなミュージアムカフェで、海とアート作品を眺めながら一息。イカ墨カレー1,250円と、マンゴージュース550円をいただきました。ジュースの瓶は草間彌生の黄かぼちゃ柄でとてもかわいいです。併設のミュージアムショップでもいろいろなグッズを購入できます。
開館時間 | 8:00〜21:00(最終入館20:00) |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 1,030円 ※15歳以下とベネッセハウス宿泊者は無料 |
チケット | 当日現地にて購入 |
公式情報 | ベネッセアートサイト直島 ベネッセハウスミュージアム |
安藤忠雄 地中美術館
こちらも安藤忠雄設計。景観を崩さないよう、その名の通り建物の大半が地中に埋設された、とても美しい美術館です。コンクリート、鉄、ガラスを使用し、装飾を極限まで削ぎ落とし非常にすっきりとしたデザインで、地下ではあるものの自然光が降り注ぐよう設計されています。館内にはクロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が恒久展示されています。特にモネの最晩年の「睡蓮」シリーズ5点を鑑賞するためだけに設計された部屋は、自然光が差し込むここならではの特別な空間です。
開館時間 | 3月〜9月 10:00〜18:00(最終入館17:00) 10月〜2月 10:00〜17:00(最終入館16:00) |
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休館日 | 月曜日 ※祝日の場合は営業、翌日休業 |
鑑賞料金 | 2,060円 ※15歳以下は無料、パスポートを持っていても別料金 |
チケット | 完全予約制 地中美術館オンラインチケット購入はこちら |
公式情報 | ベネッセアートサイト直島 地中美術館 |
李禹煥・安藤忠雄 李禹煥美術館
1960年代末〜70年代中期にかけて、日本の現代美術では石や木、紙などの自然の物質(もの)を使って作品とする「もの派」という動向がありました。李禹煥(リ・ウーファン)は「もの派」の中心的な役割を担ってきた、国際的評価の高いアーティストです。半地下構造の建物に、李禹煥の70年代以降の絵画・彫刻が展示されています。谷間から海へとつながる敷地にひっそりと、自然と調和された空間が展開されています。
開館時間 | 3月〜9月 10:00〜18:00(最終入館17:30)、 10月〜2月 10:00〜17:00(最終入館16:30) |
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休館日 | 月曜日 ※祝日の場合は営業、翌日休業 |
鑑賞料金 | 1,030円 ※15歳以下は無料 |
チケット | 当日現地にて購入 |
公式情報 | ベネッセアートサイト直島 李禹煥美術館 |
安藤忠雄 桜の迷宮
ぜひ桜の季節に鑑賞したいこちらの作品は、2016年に新しく完成しました。直島ダム公園のソメイヨシノがある敷地内に、約130本ものオオシマザクラの苗木が格子状に植えられています。根元には芝桜も植えられています。あと1, 2年して春を迎えたら、桜の迷宮の雰囲気を味わいながら、整備された遊歩道を散歩できるでしょう。
開館時間 | 屋外展示作品のため特になし |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 桜の迷宮 |
戸高千世子 彼方の気配
こちらも2016年に完成した作品です。広木池という非常に大きな池の上に、白い羽の装置が点在しており、これが風の存在や陽光の移ろいを感じさせます。ただし今年の夏会期・秋会期は水位不足のため、残念ながら公開中止となっています。
開館時間 | 屋外展示作品のため特になし |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 彼方の気配 |
本村港周辺エリア
家プロジェクト
本村(ほんむら)エリアの古民家の修復・景観の保存を兼ねて、家と空間そのものをアート作品としたプロジェクトです。現在7軒の家屋が公開されています。家の中に入ってアート作品を鑑賞できます。生活圏の中に点在しているため、そこに暮らす方々の営みを感じたり、住民の方との出会いも楽しめるのが特徴です。
開館時間 | 10:00~16:30 |
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休館日 | 月曜日 ※ただし、祝日の場合開館、翌日休館 |
鑑賞料金 |
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チケット | ベネッセハウス、本村ラウンジ&アーカイブ、直島町観光案内所(海の駅なおしま内)、T.V.C RENTALなどで販売 ※「きんざ」のみ完全予約制、「南寺」は混雑状況により整理券制となります。 |
公式情報 | ベネッセアートサイト直島 家プロジェクト |
宮島達男 角屋
角屋は家プロジェクトの発足した1998年に、第一弾として完成。200年ほど前の瓦屋根の家屋を復元しました。島民の方が作品の制作に参加するなど、現代アートが地域に介在するきっかけともなっている作品です。
ジェームズ・タレル 南寺
南寺はアメリカの現代美術家、ジェームズ・タレルの作品に合わせ、安藤忠雄が設計した新築の建物です。かつてこの近辺には寺社が集まっていて、人々の精神的な拠り所となっていました。当時のお寺の記憶をとどめようとした作品です。
内藤礼 きんざ
築百数十年の小さな家屋が、構造をそのままに作品となりました。当時の時間と自然を大事にしながら、作品として新たな空間を創出しています。きんざは完全予約制となっており、完全に1人ずつになって15分間作品を鑑賞します。予約について詳しくはこちらをご参照ください。
杉本博司 護王神社
江戸時代から祀られている護王神社の改築に合わせ、杉本博司が新しく設計した社寺です。真っ白な敷石、本殿と石室をつなぐガラスの階段が特徴的です。伊勢神宮など初期の寺社建築を念頭に置きつつ、独自の美意識に基づいた作品となっています。
千住博 石橋
明治時代に製塩業を営んでいた、石橋さんという方の個人宅。直島では古くから製塩業が盛んでした。そこでこちらの作品は直島の歴史や文化を表現するべく、家そのものの再建に重点が置かれています。
須田悦弘 碁会所
名称は島の方々が昔、囲碁を打つために集まっていた場所に由来します。重要文化財に指定されている速水御舟の屏風「名樹散椿(めいじゅちりつばき)」から着想を得た、「椿」という作品が展示されています。庭には本物の椿が植えられ、作品との対比が楽しめます。
大竹伸朗 はいしゃ
大竹伸朗は銭湯「I❤︎湯」の建築家でもあります。かつての住居を兼ねた歯科医院がまるっと作品化されました。彫刻的であったり、絵画的であったり、様々な表現がランダムに盛り込まれた個性的な作品です。自由の女神のオマージュ作品なども発表されています。
安藤忠雄 ANDO MUSEUM
築100年の木造民家を改築しており、外観は瓦屋根の古い家という印象ですが、中はおしゃれな打ちっ放しコンクリート空間となって、新しい命が吹き込まれています。過去と現在、木とコンクリート、光と闇という対立した要素が重なり合う様を体感できるよう設計されました。安藤忠雄がこれまで設計してきた建築物の写真や模型、直島の歴史を伝える写真などが展示されています。館内に照明はなく、自然光で作品を楽しむことができます。
開館時間 | 10:00〜16:30(最終入館16:00) |
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休館日 | 月曜日 ※祝日の場合は営業、翌日休業 |
鑑賞料金 | 510円 ※15歳以下は無料 |
チケット | 当日現地にて購入 混雑状況により入場制限あり |
公式情報 | ベネッセアートサイト直島 ANDO MUSEUM |
三分一博志 The Naoshima Plan 2019「水」
三分一博志(さんぶいちひろし)は広島を基点に瀬戸内で活動する建築家です。こちらは今年の芸術祭に合わせて完成しました。築200年の旧家を改修し、風や水など、島の暮らしで生かされてきた自然の息遣いを感じることのできる作品です。
開館時間 | 10:00〜16:30 |
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休館日 | 会期外は休館 会期中は月曜日 ※祝日の場合は営業、翌日休業 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 The Naoshima Plan 2019「水」 |
三分一博志 直島ホール
島民のための多目的施設で、直島女文楽の公園やレクリエーションに使用される舞台が設置されています。外観は日本最大級の大きさを誇る檜皮葺(ひわだぶき)屋根が特徴的です。三分一博志は風や水、太陽など自然の動きを約2年半調査し、自然の風力で空気の循環を促す設計を行いました。内部はこれも日本最大級の真っ白な漆喰塗りでできています。
開館時間 | 10:00〜16:00 ※外観は常時鑑賞可 |
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休館日 | 月曜日 ※祝日の場合は営業、翌日休業 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 直島ホール |
SANAA 直島港ターミナル
旅客線の待合室で、駐輪場とトイレも備わっています。直径4mの巨大なボールが13個、ボコボコ積み上がった建物。このボールは繊維強化プラスチック製で半透明をしています。夜は照明が当たり幻想的な雰囲気に。
開館時間 | 屋外展示作品のため特になし |
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休館日 | 無休 |
鑑賞料金 | 無料 |
チケット | 不要 |
公式情報 | 瀬戸内国際芸術祭2019 直島港ターミナル |
直島には現代アートの魅力がたっぷり
以上、「直島」のアート・観光スポット完全ガイドでした。とても1日では回り切れないため、旅行をされる方は事前に計画を立ててみてくださいね。
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