「大島」の特徴とアート作品・観光スポット完全ガイド|瀬戸内国際芸術祭2019

瀬戸内海に浮かぶ島々にて、3年に一度の瀬戸内国際芸術祭2019が開催中です。今回は大島の特徴と、大島で観られるアート作品をまとめてご紹介します。

大島の特徴

大島は面積約0.6km2、人口約80人の小さな島です。島の大半が国立保養所大島青公園が占め、住民は元ハンセン病患者の入所者とそこの職員のみとなっています。

大島を知るにはまずは歴史を知らないと行けません。ハンセン病とは、らい菌が主に皮膚と神経を侵す慢性の感染症ですが、感染力は非常に弱く、治療法が確立された現在では完治する病気となりました。しかしかつては誤った解釈で、長らく社会的偏見と差別の対象になっていた病気です。

国の誤った政策によって、1909年にはハンセン病患者を隔離するための、ハンセン病療養所が大島に設立されました。これが現在の国立保養所大島青公園です。現在ではハンセン病入所者の日常生活の支援や介助、ハンセン病を正しく理解するための啓発活動が行われています。

アート作品としては、やさしい美術プロジェクトによるハンセン病を考える展示などが観られます。こえび隊という公式ボランティアによる大島案内に参加することで、大島の歴史を伝えるアート作品に触れることができます。

参考資料)
SHIMA TRIP:大島(香川県高松市)
日本財団:ハンセン病とは

大島港周辺

田島征三 青空水族館

ここはハンセン病療養所への入所者の寮だった場所です。大粒の涙を流す人魚や、難破船と水中の生き物などが展示された、回遊型の展示作品です。作家の田島征三(せいぞう)は自然の物を使って表現をするアーティストで、海岸の漂流物や木の実などが使われています。暗闇の空間に浮かぶステンドグラスが美しく青く光ります。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 300円
チケット 当日現地にて購入
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:青空水族館

田島征三 森の小径

こちらは入所者の方や、島を訪れる方々の心癒される庭を目指して作られました。島に自生するトベラやウバメガシ、かつて入所者が山に登って鑑賞していたという山ツツジなどが植えられています。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 無料
チケット 不要
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:森の小径

田島征三 「Nさんの人生・大島70年」-木製便器の部屋-

入所者Nさんから、ハンセン病患者の隔離政策が行われていた時代の生活の様子を作家が聞き、Nさんの人生をもとにライブペイントをした絵巻物の作品です。強制的に労働をさせられ、重症患者のために木材で便器を作り続けたこと、妊娠した妻が中絶を強いられたことー。悲しい歴史の先に現在があることを考えさせられる作品です。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 300円
チケット 当日現地にて購入
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:「Nさんの人生・大島七十年」-木製便器の部屋-

やさしい美術プロジェクト

やさしい美術プロジェクトは、2002年から名古屋造形大学の卒業生や有志の学生を中心に開始されました。アートを通じて病院とその地域をつなぐ活動に取り組んでいます。大島においては、入所者の生きた証を表現するアート作品を展開しています。

開館時間 10:15〜16:00
※カフェ・シヨルの営業時間は10:30〜15:00(ラストオーダー14:30)
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 無料
チケット 不要
公式情報 やさしい美術プロジェクト:コンセプト

稀有の触手

タイトルの「稀有の触手」とは、大島の歌人である斎木創が詠んだ歌、「唇や舌は麻痺なく目に代る稀有の触手ぞ探りつつ食う」に出てくる、舌や唇の感覚を表現した言葉です。患者たちの様子や、彼らが利用した生活用品などが展示されています。

公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:稀有の触手

{つながりの家}GALLERY15「海のこだま」

かつて入所者がくらしていた「15寮」に、大島に唯一遺された木造船を展示しています。

公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:{つながりの家}GALLERY15「海のこだま」

{つながりの家}カフェ・シヨル

社会交流館内にあるカフェで、大島産の新鮮な梅や柑橘類を使ったドリンクやお菓子などを提供しています。

公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:{つながりの家}カフェ・シヨル

山川冬樹 歩みきたりて

終戦後のモンゴル抑留中にハンセン病が発覚し、大島で暮らすことを余儀なくされた歌人、政石蒙の生涯を表現した作品群です。政石の足跡を巡って、モンゴル、大島、そし故郷である松野を旅し、各地で撮影した映像と遺品とともに振り返ります。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 300円(海峡の歌/Strait Songsと共有)
チケット 当日現地にて購入
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:歩みきたりて

山川冬樹 海峡の歌/Strait Songs

大島の対岸には庵治(あじ)町がありますが、かつては自由を求め大島から庵治へ、海を泳いで渡ろうとして命を落とす人が後を立たなかったそうです。近くて遠い存在であった「隔てる海」を「つなげる海」へ近づけようとした作品です。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 300円(歩みきたりてと共有)
チケット 当日現地にて購入
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:海峡の歌/Strait Songs

鴻池朋子 リングワンデルング

作品名「リングワンデルング」は登山用語で、悪天候で方向を見失って無意識に縁を描くように歩くことをいいます。長く閉ざされて、戦前に入所者たちが切り開いた全長約1.5kmの遊歩道を復活させた作品です。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 無料
チケット 不要
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019: リングワンデルング

鴻池朋子 物語るテーブルランナーin大島青公園

カフェ・シヨル内にある展示です。作家が大島で出会った入所者の方や施設の看護師・介護士から聞いた話を絵に起こし、それを元に刺繍などでランチョンマットを制作しました。単なる「表現」に留めず、じっくりと人と対話することで生まれた作品です。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 無料
チケット 不要
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:物語るテーブルランナーin大島青公園

鴻池朋子 月着陸

こちらもカフェ・シヨル内で鑑賞できます。作家自身が大島の海に浸かり、顔だけ出して歌っている、モニターによる映像作品です。島の自然の音とともに、大島のエネルギーを感じ取ることができるでしょう。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 無料
チケット 不要
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:月着陸

クリスティアン・バスティアンス 大切な貨物

大島に何十年にも渡って隔離されて生きざるを得なかった入所者たちの物語を、日欧の役者らが出演する映像作品として制作しました。アーティストは「人間の条件」をあらゆる手法で問い続けてきたクリスティアン・バスティアンス。人権問題に深く関わってきた名優リヴ・ウルマンも特別参加しています。

開館時間 10:15〜16:00
休館日 会期中は無休
鑑賞料金 300円
チケット 当日現地にて購入
公式情報 瀬戸内国際芸術祭2019:大切な貨物

大島で歴史を知り、新しい未来を考えよう

以上、「大島」の特徴とアート・観光スポット完全ガイドでした。アートは明るく美しいものばかりではありません。大島でアートを通じて、背景にある歴史に向き合ってみてはいかがでしょうか。

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